数年前の夏、イギリスのバラが見たいと思って一人で出かけ、ケント州のB&Bに泊まったことがあります。

そこの庭は、毎年有名ガーデン雑誌に載る程、素晴らしいもので、ラベンダーをはじめとする、宿根草とバラのコラボが見事なほど美しかったのを覚えています。

オーナーの老婦人がこんなことを言っていました。「これから、もっと歳をとって、庭の世話が難しくなったら、ラベンダーだけにするわ。」

それ程に、ラベンダーは手がかからないということでしょう。

今回はそのように「育てやすい」「楽!」と評判のラベンダーの育て方をご紹介しましょう。

ポイントは品種選びになりますので、日本でも育てやすい品種をお伝えします。

それから、ラベンダーは効能・効果がすごいんですよ!それもご紹介しますね。

ラベンダー

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ラベンダーとは

ラベンダーは園芸分類上は常緑の草花、ハーブに入り、草丈は20cm~130cm、4月から7月に花を咲かせます。

花色は紫、しろ、ピンクがありますが、紫がラベンダーのイメージカラーですね。

風と一緒に、甘く爽やかな香りをラベンダー運んでくれるラベンダーは、とてもロマンティックで、大好き!という方も多いでしょう。

栽培してみようと思っている方は「丈夫なもの、高温多湿でも育つ品種」を選ぶことがポイントです。

例えば、ラバンディン系のように、耐暑性がある品種や、フレンチラベンダーなど、ストエカス系のラベンダーも、日本でよく育ちます。

ラベンダー

ラベンダーという名前の由来はラテン語で「洗う」を意味するラヴァントだと言われます。

古代ローマでは既に衣類の香りづけが既に行われていた証拠でしょうか?

日本には昭和のはじめにフランスから種子が導入されたようです。

種類は20以上あります。

イングリッシュラベンダー、フレンチラベンダーあたりが日本でも市場に良く出回っていますね。

個人的にはオカムラサキが好きです。

種類、品種については第2章で詳しくご紹介します。

ラベンダーは春から初夏にかけて開花し、良い香りを漂わせます。
花だけでなく、茎や葉にも芳香があるのですよ。

茎を伸ばして、先端に紫や白色の小さな花を咲かせる様は、凛とした強さを感じさせてくれます。

蒸留して得られた精油(エッセンシャルオイル)は香料や香水の材料になります。

花を乾燥させたものはポプリになります。実に使い道が多いですね。

ラベンダー

ラベンダーの種類

日本で見かけるラベンダーを見てみましょう。

コモン ラベンダー(イングリッシュ ラベンダー)

原種に近いラベンダーで、イギリスで品種改良が進んだため、イングリッシュ ラベンダーと呼ばれています。

一般的にラベンダーと言えばこの種を指します。

代表的な品種に’ロイヤルパープル’、’ヒドコート’、’オカムラサキ’、’濃紫3号’があります。

富良野のラベンダー畑もイングリッシュラベンダーの系統が多いです。

ウーリーラベンダー

全体が綿毛に覆われているので、woolyという名前なんですね。

スペイン南部、山岳地帯の乾燥地に分布し、濃い紫色の花をつけます。

耐寒性があります。

スパイクラベンダー

ヒロハララベンダーとも呼ばれます。葉が灰色がかった緑色をしているからです。

地中海沿岸、ユーゴスラビアなどに分布します。

暑さに強く、大株に育ちます。

ラバンディン系

イングリッシュラベンダーとスパイクラベンダーの交配種です。

代表的な品種に’グロッソ’、’シール’、’スーパー’、’プロヴァンス’などがあります。

強い香りが特徴で、精油に利用されます。

夏の暑さにも負けません。

ラベンダー

ストエカス系

フレンチ・ラベンダーは品種名です。

ウサギの耳に似た苞がある花穂がとても可愛らしいです。

耐暑性に富み、夏越しも容易です。耐寒性はそれ程強くはありませんが、暖地でも枯死するようなことほとんどありません。

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ラベンダーの育て方

読者の皆さんも、一度は育ててみたいと思われたのではないでしょうか。

ラベンダーは人気のあるハーブで、とても育てやすいです。

ポイントがいくつかあるので、ご紹介していきましょう。

ラベンダーは日光と風が大好きです。日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。

庭植えの場合は、西日が当たらない所を選んでくださいね。

高温多湿には弱いラベンダーが多いですが、寒さには強くー15度でも平気のようです。

基本の土(ガーデニングの土づくり参照)にパーライトをを1~2割混ぜて通気性をよくしてやり、さらに苦土石灰を入れて中和してください。

葉が少し柔らかく垂れ下がってきたころが水やりのタイミングです。

その時は、土も白く乾いていると思いますから、たっぷりあげてください。

特に、開花中は水切れしないよう、注意してくださいね。

梅雨時など、長雨が続くときは、鉢を軒下などへ移すのも妙案です。

植えつけ時に、元肥として緩効性化成肥料を施します。

その後は、あまり必要ありません。

病気と害虫もうどん粉病ぐらいで、ほとんどありません。

植えつけは春と秋で、さし木で簡単に増やすことができます。

私は毎年、春に剪定を兼ねて、枝先を長さ10cmぐらい切り取って、赤玉土にさします。

刈り取りは二分咲きから満開前の午前中に、葉を4~8枚つけて花穂を切ってください。

刈り取って、乾燥させると、よい香りのドライフラワーになります。

なぜ、午前中?

その方が香りが強く漂って、作業がとても楽しいからです。

大株になると枝が込み合ってくるので、整理し、風通しをよくしましょう。

ラベンダー

ラベラベンダーの効能・効果

万能精油と言われるほど、ラベンダーは色々な働きをしてくれます。

まず一番よく知られているのは、リラックス効果です。

それは、鎮静作用(心を落ち着ける)をもつ成分の酢酸リナリルやリナロールが多く含まれるためで、緊張や不安、怒りなどからくるストレスを軽減し、安定した精神状態へと導きます。

リラックスモードの副交感神経を優位にしたり、気分を安定させるセロトニンや、睡眠ホルモンと呼ばれているメラトニンの分泌をラベンダーが促すからです。

また、ラベンダーには抗菌・殺菌作用も、防虫にも効果があると言われています。
カビや雑菌の繁殖を抑えたり、デオドラント効果も期待できます。

さらに、消炎作用もあり、皮膚の炎症を鎮めて組織の回復を助けるといわれています。

はんこん(外傷、手術、やけどの後などにみられる傷あと)などに対し、皮膚組織再生作用があります。

軽いやけど、日焼け、手荒れ、かゆみ、虫刺され、ニキビ、水虫、あせもなど皮膚トラブル全般に使えます。

驚くほどの効果・効能が期待できるのですね。精神面のケアだけではないのですよ。

肉体面でも、痙攣(けいれん)を抑える作用、鎮痛作用、筋肉をゆるめる作用があり、頭痛、肩こり、筋肉痛、ストレス性の胃痛など、筋肉の痛みやけいれんにも効果が期待できるのです。

ラベンダー精油を用いたアロマテラピーマッサージで生理痛が軽減したという実験結果も報告されています。

ホホバオイルなどの植物油に希釈して、痛みのある部位に塗布したり、精油を含ませたタオルを当てて痛みやコリを癒やす湿布法がおすすめです。

妊娠中の人や子供への使用は注意をしてくださいね。

ラベンダー

まとめ

今年の初夏には40年ぶりに北海道の富良野にある富田ラベンダーファームを訪れました。

40年前と少しも変わらず、広い園内いっぱいに咲くラベンダーを堪能してきました。

現在は「ガーデン街道」という、いくつかのガーデンの真ん中あたりで、良心的に無料で解放されていました。

皆さんも、是非ラベンダーを栽培してみてください!!

しばらく、ハーブ特集ですよ!!

ハーブとは香りや味だけでなく、刺激性もあり、食用や薬用、虫除けに使われる植物の総称です。

メソポタミアやエジプなどの古代文明では、すでにハーブが薬として栽培、利用されていた記録が残っています。

中世ローマではハーブを部屋の中に吊るして、蚊やハエが寄り付かないよう虫除けにしていたそうですから、人間との関わり合いの歴史が、とても古いのですね。

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