ガーデニングで一番大切な作業、土づくりについて、お伝えします。

ホームセンターに行けば、「バラの土」「サボテンの土」「~の土」、、という風に植物にあった様々な種類の土が、かなり高額で売られているので、驚きます。

「バラの土」などは一鉢分3000円近くもする高級な土も販売されています。

もちろん、ガーデニング初心者にとっては、大変便利で、間違いなく育てたい植物が育つので、安心かつ、とても便利です。

でも、園芸にも慣れて、段々植物も増えていって、植え替えの時期が来た時に、すべて袋入りの土を買うのは経済的にも大変だと気づきます。

そこで、今回は自分で土を作る方法をご説明します。

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土づくり

まず、大切なのは、「土は植物にとってどんな働きをしているのか」を考えることです。

答えは保水、排水、通気、保肥の4つです。

植物は自分で要求を訴えることはできません。

だからこそ、育て主が自分の育てている植物がどういう環境を好むのか、しっかり知ったうえで、土の材料をブレンドしなければなりません。

基本は「腐葉土3に対し、赤玉土7」の割合と覚えてください。

腐葉土は通気性と保肥力をもち、養分をたっぷり蓄えています。

そして、土の中に空気の層を増やして土を柔らかくしてくれます。

赤玉土(後述)は安価で通気性に優れています。

上記の基本土をベースに、もっと保水力が欲しい時は、ピートモス(後述)やバーミキュライト(後述)を1割ぐらい加えます。

一般的に、日本の土は弱酸性ですので、多くの植物にとっては過酷な条件なのです。

そこで、石灰(後述)を混ぜて、植物に適した中性の土に中和してあげるのです。

石灰の使い方には注意が要りますので、後で説明しますね。

土づくりは、作業が一段落した冬に行うことが多いです。

寒い冬のガーデニングは何もすることがない?!

そんなことはありません。

実は、1年間の収穫がすべて終わった冬こそ、植物に感謝の気持ちを込めて、土をリフレッシュさせることが大切なのです。

古土のリフレッシュの仕方も後でご説明しますね。

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私はふかふかしたバラの土をつくるために、もう一品加えます。

それは「堆肥」・「有機」です。

米を精米した時にでる「米ぬか」や、「牛ふん」または「鶏ふん」を赤玉土7腐葉土3の基本土に一割程度、混ぜます。

そして、2月には自分で作ったコンポスト(生ごみたい肥)を土にすき込んでやります。

コンポスト(後述)とは、枯れ葉や家庭からでた生ごみなどの有機物を、微生物や菌の力で分解発酵させてできた「堆肥(たいひ)」のことです。

「良い土」というのは微生物が活発に活動できる土のことで、植物だけでなく、微生物にとっても最良な状態の土のことを言います。

微生物は、「適度な水分と酸素」、「0~40度の温度」、「pH値が弱酸性~中性」という条件下で活発に活動します。

腐葉土

腐葉土は腐植土(ふしょくど)とも呼ばれ、樹木の葉や枝が分解された土状のものです。

腐葉土には落葉樹や広葉樹の葉や枝が主に使われています。

腐葉土を土に混ぜると、土の保水性、排水性、通気性、保肥性が増します。

マルチングの材料としても使えます。

赤玉土

赤玉土とは、関東ローム層(関東平野の火山灰層のこと)の赤土のことです。

採取した赤玉を砕き、ふるい、大粒/中粒/小粒に分けられます。

その粒のサイズごとに、用途を変えられるので、便利な土です。

赤玉土自体には、栄養はありませんが、赤玉土を使うと、土の通気性、排水性、保水性、保肥性が高まるため、ガーデニングでよく利用されます。

赤玉土には栄養がありませんが、菌類も寄りつかないので、大変使いやすい土です。

消石灰・苦土石灰

消石灰は水酸化カルシウムです。

消石灰は、石灰(カルシウム)の補給、土壌pHの矯正〈上昇)という働きはありますが、苦土(マグネシウム)は含んでいません。

苦土の補給を考えなくても良いなら、消石灰でも大丈夫です。

苦土石灰は、炭酸カルシウムに苦土(マグネシウム)を加えたものです。

苦土石灰は、石灰(カルシウム)の補給、土壌pHの矯正〈上昇)、苦土(マグネシウム)の補給という3つの効果があります。

なお、炭酸苦土石灰のアルカリ分は50%、消石灰のそれは65%あります。

消石灰は炭酸苦土石灰の8割程度の量で大丈夫です。

また、消石灰はをまいた後は一週間おいて、植え付けを行ってください。

化成肥料も施さないでください。

急ぐようであれば、炭酸苦土石灰の方が便利だと思います。

粒状の石灰の方が風に舞うことがなくて、安心です。

ピートモス

水気の多い場所で育った植物を細かく砕いて乾燥させた土です。

主にコケ類が原料として使われていて、通気性や保水性に富むので、土量改良によく利用されます。

ピートモスは酸性なので、アルカリ性の土を中和させます。

圧縮して売られていることが多いので、まず水を含ませてから使ってください。

ブルーベリーは酸性土が好きなので、ピートモスと大変、相性がいいです。

バーミキュライト

蛭石(ひるいし)とも呼ばれます。

酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムを主成分とする鉱物を高温処理し、膨張させた人工の土です。

通気性・保水性・保肥性に優れます。

無菌・無肥料・高い断熱性があります。

無菌で保水性が高いので、挿し木、苗、種まき用の土に最適です。

根の呼吸を促進させ、通気性が必要な多くのハーブや多肉植物に使用されます。

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古土の再利用

古い土は、栄養成分が減り、植物の生育によくない細菌が繁殖しているからです。

まず、不純物を取り除いて、土をふるいにかけます

次に、熱消毒をします。

土にたっぷりと水をかけて湿らせ、黒いビニール袋に入れて太陽光で蒸して消毒します。

消毒が終わったら、土壌改良材を混ぜます。

古い土が消毒されて清潔な状態になりましたが、植物が育つための栄養は足りない状態です。

古い土に腐葉土や堆肥、培養土、土壌改良剤などを3割程度混ぜ込んでください。

そして、新たに植物を植え付けるときに、苦土石灰や有機石灰(後述)、肥料を混ぜて使っていきます。

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肥料

園芸植物は多くの養分がないとだんだん貧弱になっていきます。そこで、この不足分を補うのが肥料です。

特に鉢植えでは、根張りスペースが限られるうえ、日々の水やりで養分が流失しがちなので、庭植え以上に、生育に応じて肥料を施す必要があります。

肥料の成分の中で、植物の生育で最も大切な要素はチッ素、リン酸、カリの3種類で、「肥料の三要素」と呼ばれています。

チッ素(N)は植物のたんぱく質を構成し、茎葉や根を生育させるなど、植物が最も必要とする成分です。

やりすぎると、葉ばかりが育って、株が軟弱になりますので注意が必要です。

リン酸(P)は生命活動に欠かせない核酸、酵素などを構成する成分で、茎葉や根の伸長を助け、開花や結実を促進します。

カリ(K)は根や茎を丈夫にし、植物は日照不足や寒さなどの不良環境や病気に対する抵抗力をつける作用があります。

肥料にはさまざまなタイプがありますので、適切なものを適時に適量、施してください。

有機肥料

油粕、草木灰、骨粉(肉骨粉)、鶏ふん、牛ふん、米ぬかなどのことを有機肥料と呼びます。
有機物を土壌の微生物がゆっくりと分解していきます。

化成肥料

最初から植物に必要な無機物の状態になっているので、まけばすぐに吸収されて効果が出ます。

花が終わって、お礼に施す肥料として、便利です。

速効性肥料

肥料をまいてから、すぐに効果があらわれる肥料です。

開花期や最盛期などの限られた期間の追肥、または、固形の肥料が利用しにくい環境の場合に多く利用されます。

尿素など、水に溶けやすい性質を持つ化成肥料や、水に薄めて使う液肥(ハイポネックスなど)などがこれに当たります。

すぐに肥料成分が植物に吸収される分、持続期間が1週間ほどと短いことが特徴です。

そのため、肥料を与える回数が多くなります。

緩効性肥料

代表的なものにマガンプがあります。

緩効性肥料とは、肥料の効き方がゆっくりで、一定期間効果が長続きする肥料のことをいいます。

最近のガーデニングでは、緩効性肥料をメインの肥料として施し、生長時期や開花期にあわせて、肥料の不足分をハイポネックスのような液肥などで補うのが一般的な方法です。

もともと肥料は、効き目が強すぎて肥料焼けを起こすなどの欠点がありました。

そこで開発されたのが、肥料成分が溶け出すスピードを緩やかな緩効性肥料です。

緩効性肥料は、ゆっくり溶けていくため、肥料焼けを起こしにくく、また、肥料の継続期間も1~2ヶ月と長くなり、初心者でも扱いやすい点がメリットです。

また、植え付け時の土に混ぜたり、追加で施したりと色々なタイミングで活用することができます。

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堆肥 (コンポスト)

設置型の「鐘の形状タイプ」が便利です。

日当たり、水はけのよい場所を選んで設置します。

生ゴミや原料は「新鮮なうちに」「細かく切って」「水切りしてから」入れましょう。

入れたら生ごみにを被せてください。

コンポストを作るうえで注意したいのは、「微生物が分解できないもの」をいれないことです。

分解しないものとは肉、骨、貝殻、調理された食品(特に油もの)竹の子の皮、石炭や木炭の灰、犬猫の糞尿などです。

病気におかされた植物はコンポストに入れず、焼いてしまいましょう。

黒土、落ち葉、病気にかかっていない刈り取った草花、乾燥させた芝や雑草、野菜くず、卵の殻、茶葉、コーヒーかす、牛・豚・鳥のフン等は大丈夫です。

切り戻し、摘心

草花の切り戻しとは、伸びた枝や茎を、途中まで切り詰めることです。

草花を美しい姿で長く楽しむために欠かせない作業です。

切り戻しをすることで、わき芽が伸びて枝数がふえ、こんもりとしたよい形に整います。

そして、再び元気のよい花がたくさん咲くようになります。

切り戻す草花は、春から秋まで長く咲く種類や、草姿が乱れたものです。

時期は、梅雨明け頃が適しています。

また、根詰まりを起こした株の植え替えをする時にも、地下部に合わせて地上部の茎葉を切り戻しするとよいでしょう。

草丈の1/3~1/2ぐらいの位置で切り、風通しをよくして夏を乗り越えさせます。

涼しくなり始める8月下旬ごろにもう一度、暑さで傷んだ部分があれば軽く切りそろえて形を整えると、秋からいっそう美しく開花します。

芽を摘んで枝数を増やすことを摘心(てきしん)といって、朝顔やゴーヤなどを育てている時によくします。

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まとめ

庭作りは「土作り」からはじまる、と言ってもいいかもしれません。

昔の人は貝を食べた後、畑に貝を砕いてすき込んでいましたよね。

天然の石灰をまけば、土壌改善につながることを知っていて、実践したのでしょうね。

「土づくりって、結構大変だ~」と思ったのではありませんか?

でも、手をかけたぶんだけ、植物は元気に育ってくれます。

美しく、実りの多いガーデニングのために、しっかりとした土作りをしましょう!

面倒で負担になるようなら、市販の培養土を買えばいいですし、面白そうだから本格的にやってみようかな、と思われたら上の記事を参考に是非トライしてみてください。

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