登山やアウトドアでは自然の中で行動をします。
その中で、怪我をしたり体調を崩したりした場合には、自分たちでファーストエイド(応急処置)の対応をしなければなりません。
ファーストエイドは、登山やアウトドアには欠かせない技術の一つです。
ぜひ一緒に、ファーストエイドのことを考えてみましょう。
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目次
ファーストエイドとは
ファーストエイド First-aidとは、応急処置のことです。
怪我や急病などの突発的な問題が生じたときにどう対処すればよいのか?
そのためのノウハウがファーストエイドです。
医者ではないので治療をすることはできませんし、無資格者の医療行為は犯罪になってしまいます。
ファーストエイドでやることは、救急隊に引き渡すまでに、痛みを少しでも和らげてあげる処置、今の状態以上に悪化させない処置、二次的な事故を防止する処置、ということになります。
ファーストエイドの重要性
登山中に、怪我や体調を崩した人に出会ったとき、あなたはどう対応しますか?
まずは、パニックにならずに落ち着いて行動をすることです。
最初に、何が起こったのかを把握してください。
症状を確認して、重症なのか軽症なのかを判断してください。ほとんどの方が医者ではないので、自分の持っている知識の範囲でしか自己判断で来ませんが、緊急を要するのかそうでもないのかを判断しなければなりません。
具体的には、意識があるのかを「大丈夫ですか?」などと呼び掛けて反応を確認します。
呼びかけに答えれば、状況聞いて何が起こったかを確認してください。
次に、安全な場所に移動させるために介助してあげてください。
出血がひどい場合には、傷口を綺麗な布などで直接圧迫して、出血を止める対処をします。
綺麗な布がない場合には、ハンカチなどをライターできつね色になるまで炙って殺菌してください。そして、傷口を心臓より高くします。
自力で下山できないような状況であれば、周囲の人に救急隊の要請を依頼します。
このように、冷静な判断ができて適切な対処が必要です。
ファーストエイドキット
最近では、ファーストエイドキットとして販売されています。
例えば、下記のようなセットが一式バッグに入って販売されているものもあります。
バッグ、手袋、ピンセット、ハサミ、清浄綿、救急絆創膏、ガーゼ、ブランケット、フェイスマスク、三角巾、包帯、ポイズンリムバー、テーピングテープ、飲用水など
初めてのファーストエイドキットとしては便利です。
これはあくまでも最初のセットであって、自分なりに使いやすいようにカスタマイズしていくことをおすすめします。
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ファーストエイドキットの使い方
登山にファーストエイドキットを持ち歩いていても、いざという時に使いこなせなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
それぞれの使い方を簡単に紹介します。
使い捨て手袋
他人の血液を触る時には、感染症を防ぐために必ずはめておいてください。
医療用が良いと思いますが、百円ショップで売っている介護用の手袋でも十分使用できます。
ピンセット・ハサミ
ピンセットはトゲを抜いたり、傷口に入った石などを取り出すために利用します。
ハサミはテーピングテープやガーゼや包帯などを切ったりする時に必要です。
清浄綿
傷口には水で洗い流すのが一番良い方法ですが、山では水は貴重なので水洗いも簡単にできないこともあります。
そんなに時に役に立つアイテムです。
ハサミやピンセットなどの消毒にも使えます。
救急絆創膏
小さな傷や、靴擦れなどでどうしても痛くて歩けない場合や、傷が服に擦れて痛みが気になる時に患部に貼って、痛みを軽減するのにも使えます。
最近は、患部に優しいものなどが売れれていますので、いろいろと試しておくのもいいですね。
ガーゼ
患部を直接圧迫して止血処理に使うことができます。
綺麗な布がない場合には、ハンカチなどをライターできつね色になるまで炙って殺菌して使うこともできます。
ブランケット
体温の維持のために使えます。
救助隊を待つ負傷者の体温保持のために使うことができます。
三角巾
三角巾と言ったら腕を吊るすための三角の布というイメージが強いと思いますが、実はいろいろな使い方ができる万能布です。
頭から足先までの色々な部位を包み込むことができ、関節の固定や止血帯などにも使えるのが三角巾です。
しかし、知識がないとなかなかうまく使えないものです。
救急法の講習や本やネットなどで三角巾の使い方をマスターしておいてください。
包帯
骨折や外傷を負ったときなどに使うものです。
片手で巻ける伸縮性のある包帯を選んでおいたほうが良いです。
100円ショップでなどでも売っていますので、一度自分で巻いてみて練習してみて、使いやすい大きさのものを選んでおくことをおすすめします
ポイズンリムーバー
ポイズンリムーバーって聞きなれない道具だと思いますが、蛇に噛まれたり、蜂に刺されたときに毒を吸い出すための道具です。
山で蛇に噛まれたりスズメバチなどに刺されたりしても、麓に降りるか救助隊の到着を待たなければなりません。そんな時に、少しでも毒を外に出せれば悪化する速度も遅くなる可能性があります。
テーピングテープ
捻挫や骨折をしたときにテーピングをして痛みを和らげるようにします。
巻き方を覚えないとテーピングの意味がほとんどなくなってしまいますので、何種類か巻き方を覚えて持って行きましょう。
サイズも色々ありますので、自分で勉強して使いやすいものを数個持って行くと便利です。
ファーストエイドを行うにあたって
医者ではないので、医療行為に当たることをしてはいけません。
親切心で一生懸命助けてあげたのに、違法行為になってしまいます。
行うことは、救急隊に引き渡すまでに現状を悪化させないための行為、現状の苦痛を少しでも和らげてあげる行為、二次的な災害を防止する行為であって、決して治療をしてはいけません。手術をしたり、注射を打ったりする行為は一般人ではできません。
また、意識のない人や本人の了承を得ずに市販薬を飲ませるのも違法行為になりますので、例えば鎮痛剤などを飲ませる場合にも本人の意思で飲まなければなりません。
こんな話をすると、ますますファーストエイドから遠ざかってしまいそうですが、そこは勇気をもってアウトドア仲間が困っていたら、できる範囲で手を差し伸べてあげましょう。
自分が助けられる立場になる可能性もあるのですから。
ファーストエイド(応急手当・救命手当)は、医療行為とは異なり、公的資格や救急法講習修了証の有無等は関係なく、人間として誰もが知っておかなければならない基本的な知識・技術と言えます。
特に救急車などをすぐに呼べない登山者には、知っておいてもらいたい技術です。
また、各地域で救急法などの講習会も行っていますので、登山者の方はぜひ参加されることをおすすめします。
日本赤十字社などでは、安価で講習を実施していますので利用されるのもいいと思います。
まとめ
ファーストエイド(応急処置)は、日ごろから意識しておくことが大切です。
日頃のチョットしたけがの手当ても、ファーストエイドなんだという意識を持つだけで、登山などのアウトドアでそういう事態に遭遇した時にも、その延長だという意識で手助けができると思います。
日頃から意識することによって、テーピングの仕方や三角巾の使い方などを、遊び感覚でいいので勉強しておくことが必要です。
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