山の天気は刻々と変わってきます。
登山中の気象情報はどのように入手して、どのように判断していけばいいのか。
登山中にはこまめに空を見上げて、雲の動きや変化を観察していく観天望気は有効な手段です。
気象情報の入手方法や、雲の種類とその特徴をまとめてみました。
【スポンサーリンク】
目次
気象情報の入手方法
テレビ、ラジオ、新聞からの入手
ここから入ってくる情報は、おなじみの天気予報や気象予報です。
天気予報、週間天気予報、警報、注意報、台風情報、大雨情報などです。
電話での入手
知りたい地域の市外局番に続いて177に電話をかけます。
ここでは、天気予報、週間天気予報、警報、注意報などの情報を電話で入手することができます。
パソコン、スマホからの入手
ここでは、天気予報、各種の天気図、気象衛星からの写真などの情報をネットから入手できます。
漁業気象通報からの入手
NHKラジオ第2で、1日1回16:00~16:20まで放送されているものです。
ここでは、天気予報、警報、注意報などを入手することはできません。
漁業気象通報で放送される内容は、観測日時、発表日時、全般海上予報及、全般海上警報、気象の実況(風、天気、気圧、気温)です。
これは、ここで放送される気象データを天気図用紙に記入していって、天気図を作成していくためのもので、泊での登山では有効な手段になります。
観天望気
登山中の気象情報の把握には観天望気が有効な手段です。
観天望気とは、頭上や周囲の雲の様子を見ながら、気象状況を判断していくことです。
雲の動きをしっかりとチェックして、どのような雲がどのように変化すると何が起こるのかを勉強しておきましょう。
登山中は空の様子を見ながら歩いてみてください。
雲の種類
世界気象機関では雲を十種類に分類しています。
上部に現れる雲から順に
- 巻雲(けんうん、すじぐも)
- 巻積雲(けんせきうん、うろこぐも、いわしぐも)
- 巻層雲(けんそううん、うすぐも)
- 高積雲(こうせきうん、ひつじぐも、むらぐも)
- 高層雲(こうそううん、おぼろぐも)
- 乱層雲(らんそううん、あまぐも)
- 積乱雲(せきらんうん、にゅうどうぐも)
- 積雲(せきうん、わたぐも)
- 層積雲(そうせきうん)
- 層雲(そううん、きりぐも)
次に、各雲の特徴を紹介します。
巻雲
すじ雲とも呼ばれる雲で、白い羽毛や馬のしっぽの毛、白いペンキをハケでさっとはいたように見えたり、つり針のような形などがあります。
巻雲のある空模様では概ね晴天です。数日後には天候が崩れることが多いようです。
空に突然この巻雲が広がりはじめたら、温暖前線や低気圧が近づいてきたことを意味しますので、今後の雲の変化を注意深く見てください。
巻積雲
いわし雲、さば雲ともいい、ちょうど魚のウロコ状で空一面に斑点模様をつくっています。
温暖前線や熱帯低気圧が接近時してきた時のサインとして、巻雲の次に現れる雲です。
巻雲が出て次に巻積雲があらわれてきたら、天気が悪くなってくると思ってください。
巻層雲
薄雲ともいわれる雲で、空一面に現れ、太陽や月にカサをつくることがあります。
この雲が出たら天候が悪くなる兆しだと言われています。
高積雲
むら雲とも呼ばれている雲で、ちょうど羊が群がっているような感じの雲で、その一つ一つのかたまりの間から青空がみえます。
雨を降らせる雲ではありませが、この雲が空一面に広がってきたときには天気が悪くなる前ぶれです。
高層雲
おぼろ雲とも呼ばれている雲で、層状にひろがる灰色の雲で、全天を覆うことが多くみられます。
直接雨を降らせる雲ではないですが、乱層雲につながっていることが多いため天気が崩れる兆しです。
この雲がでれば、雨の降る確率が高まってきたと思ってください。
乱層雲
雨雲、雪雲とも呼ばれている雲で、この雲が空を覆うと太陽は見えなくなってしまいます。
多量の水蒸気を含んでいるため天気は下り坂になります。
雨が降りだす頃は、雲の下側は灰色になります。
積乱雲
入道雲、雷雲とも呼ばれている雲で、短時間に激しい雨を降らせ、雷や突風などを伴うこともあります。
暑い夏には、朝からたくさんの積乱雲が発生します。
その中でも巨大化してくる積乱雲が要注意で、その進行方向には注意をして行動をしてください。
積雲
わた雲とも呼ばれている雲で、夏の晴れた日中によく現れます。
積雲は晴れた日の午前中に現れ、夕方に消えることが多くありますが、この雲が発達すると積乱雲になります。
雲の頭部がモクモクとはっきりした形をとっている間は雨の心配はいりませんが、この頭部の形がぼやけはじめてきたら天候が悪化する前ぶれです。
層積雲
うね雲とも呼ばれている雲で、畑のように細長い雲が並んでいます。
この雲は、色や形の変化が多く、厚めのふわふわした感じで、空の低い所を覆っている雲は層積雲だと思っていいと思います。
層積雲同士がつながって大きな塊になっていくと、乱層雲となり長時間の雨を降らせます。
層雲
きり雲とも呼ばれている雲で、雨後や夜から朝にかけて空にできる霧の雲です。
降水をもたらすこともあるが、霧雨や霧雪に分類されるような、粒の細かい降水であることが多いです。
この雲が濃く広がってくると、霧雨が降ってきてアッという間に視界が悪化しますので、雲の動き具合などを注意しながら行動しなければなりません。
【スポンサーリンク】
出発前の気象情報の確認
マスメディアの活用
テレビなどで、天気予報を確認しておきましょう。
まずは、自分の出かけるところの天気予報を見ると思いますが、ここでのチェックポイントは、全国の天気予報を見て日本列島全体がどのような天候になっているのかを把握しておきます。
日本の天気は、基本的に西から移ってきますので、出かける場所の西側の天気は注意をして確認おいてください。
週間予報も確認して、自分の登山中の日本列島全体の天気予報の動きを確認して下さい。
できれば、天気図も確認できて読めるようになっていればベストですね。
tenki.jpの活用
一般財団法人日本気象協会が運営している天気予報を提供するtenki.jpとういウェブサイトがあります。
ここは、天気に関するいろいろな情報がありますので、登山に出かける前にはチェックしておくことをおすすめします。
また、tenki.jp登山天気 というサイトも、有料ですがありますので登山者には、出かける山のピンポイントの情報を得ることができるので、ここのサイトもおすすめです。
泊まり登山中の気象情報の確認
ウェブサイトの「tenki.jp」や「tenki.jp登山天気」などの活用は便利ですが、山ではネットがつながらないことが多いので、そんな場合には、漁業気象通報(NHKラジオ第 16:00~16:20放送)で放送される気象データを基に、天気図を作成して全体の気象状況を把握することが有効です。
まとめ
安全な登山を行うために・・・
登山に行く前には、自分が向かう山やその周辺がどんな気象状況なのかを把握しておく必要があります。
泊まりの登山では、自分のいる場所とこれから向かう場所が、どんな気象状況であって、今後どう変化していくのかを把握しておかなければなりません。
登山中にも、気象状況はどんどん変化していきます。
これを観天望気しながら、今の状況がどう変化していくのかを読み解いていかなければなりません。
これらの行動をすることで、危険を察知して早めに対処することができます。
【スポンサーリンク】