ここでは地植えでオリーブを育てる時のポイントをおさえましょう。
地植えにすると、オリーブは10m近くにも大きく育ちます。
そのため、家の目隠しとしても利用できますが、成長後の姿をイメージして、植え場所を慎重に決めてください。
オリーブの木は寒さに弱い植物ですので、寒冷地では育ちません。
「オリーブの育て方、鉢植え編」についてはこちらをご覧ください。
【スポンサーリンク】
目次
オリーブの育て方
土作り
オリーブは弱アルカリ性の土を好みます。
水はけも良くなければなりません。
まず、オリーブの木を植えつける場所に、苦土石灰を混ぜ込んでください。
酸性に傾いた土を中和するためです。
腐葉土や堆肥を混ぜて耕すと、根の張りが抜群に良くなります。
水やり
地植えの場合、雨水だけで十分です。
水やりは、ほとんど必要ありません。
夏の日照りが続いた時は、夕方にたっぷり水やりをしてください。
肥料の与え方
地植えしたばかりの時は肥料をあげないでください。
植えてすぐに肥料を与えると、肥料焼けしてしまいます。
肥料焼けすると、根を痛めてしまいますよ。
暖かい時期は植えつけてから2週間前後、寒い時期は1ヶ月後に最初の肥料をあげてください。
肥料は有機肥料がいいです。
化学肥料を使う場合は緩効性を選んでください。
冬越しの方法
霜や凍結にとても弱く、残念ながら、北海道や東北地方、甲信越地方で地植えでの栽培は不向きとされています。
剪定の方法
オリーブの木を植え付けてから、3年後には剪定が必要です。
オリーブの木を剪定する時期は、1年で2回あります。
1度目は、1月~3月の冬眠中の期間です。
大きな枝を思い切って、切り落とします。
翌年に実を収穫したい場合は枝の先の成長点を残し、間引くようにして剪定しましょう。
株元から伸びる枝は生育が盛んで、養分を奪ってしまうため不要です。
2度目の剪定時期は5月~12月の成長期です。
実をたくさん収穫できるよう、新しい枝は剪定しないでください。
増やし方
剪定で切り落とした枝は、挿し木で増やすのに利用しましょう。
新芽がついていて、葉の色が良いものを選んでください。
まず、枝を10センチ程ななめに切ります。
葉は数枚残して切り取ります。
1~2時間ほど水につけ、挿し木用の土に挿します。
水をたっぷり与え、風通しの良い日陰に置いておきましょう。
人工授粉
自然界のオリーブの木の受粉は、自然に風や虫が運んできてくれます。
ちゃんと2種類以上のオリーブを近くで育てていても、受粉しにくい場合があります。
そういう時は人工授粉をしてみましょう。
とても簡単です。
一つの木の花粉を紙コップの中に集めてください。
筆を使って、別の木の花につけて、終了です。
病虫害
病気
果実を侵す炭そ病、枝梢を枯らす梢枯病に注意が必要です。
梅雨どきを中心に発生しますので、要注意です。
「土の酸性化」と「マグネシウム不足」に気を付けてください。
雨は弱酸性ですので、雨に当たると土が酸性に傾いてしまいます。
オリーブはアルカリ性の土が好きだと言いましたね。
そういう時は、根元に石灰を撒いてください。
害虫
テッポウムシ、コガネムシなどがつきます。
コガネムシは幼虫にも注意してください。
テッポウムシ、コガネムシもオリーブの根を食害し、最悪の場合は枯死させてしまうこともあります。
スミチオンなどを定期的に散布してください。
でも、私は極力、薬品を使わないようにしています。
特に実は食べるものですし、ペットにもよくありません。
「 テデトール (手でとーる)」が一番です。
【スポンサーリンク】
オリーブの品種
ワンセブンセブン
イタリア原産で銀葉のオリーブの木です。
ゆっくり成長し、実は小さいけれどたくさん収穫できます。
カヨンヌ
フランス原産のオリーブの木です。
とても希少な品種で、銀葉が美しくシンボルツリーにおすすめです。
よく実をつけるため、塩漬けにしたりオイル漬けにして食べられます。
コロネイキ
ギリシャが原産のオリーブの木です。
オリーブの女王とも呼ばれ、育て方が容易なので初心者におすすめの品種です。
小さな葉がとてもかわいくて、インテリアとしてとても人気があります。
小さな実をつけ、品質がよいオイルがとれます。
アルベキーナ
スペイン原産のオリーブの木です。
コンパクトに育ちますが、葉が良く茂ります。
生育が旺盛なので刈り込んで、自分の好きな樹形にすることが可能です。
小ぶりな実をたくさんつけます。
マンザニロ
スペイン原産のオリーブの木です。
あまり背が大きくならず、銀色がかった小さな葉をつけます。
他のオリーブと比べ、早い時期に収穫時をむかえます。
実は小さなリンゴのような形をしています。
果実の大きさは大きく、含油率9〜14%で、塩蔵用です。
ルッカ
アメリカでよく見かけるオリーブの木です。
卵のような形の葉をしていて、実は小さめです。
生育は旺盛で、枝は横に広がるように成長していきます。
含油率は25%と高いです。
主にオイル用ですが、塩漬けにすると味にコクがあります。
自家結実しやすい品種です。
生育期に適確に剪定しなければ、暴れて見苦しくなってしまいます。
ミッション
アメリカ原産のオリーブの木です。
木は真っ直ぐ伸びる直立型です。
銀色の葉がとても美しいです。
日本でも人気があって、園芸店でもよく見かけます。
ハート型をした実ができます。
他の品種に比べ、遅くに実をつけます。
塩漬けやオイルにおすすめです。
実の大きさは中ぐらいで、含油率15〜19%です。
ネバディロブランコ
スペイン原産のオリーブの木です。
成長が早く、丸みある薄い緑色の葉をしています。
葉が多く、ふさふさした木が特徴的です。
実は早めにつき、風味も良く、すっきりした香りがします。
オイル用として人気があります。
果実の大きさは中ぐらいで、含油率17%です。
花粉が多いため、受粉樹に最適な木です。
ハーデイズマンモス
ギリシャ原産のオリーブの木です。
他の品種と比較すると、やや葉にねじれがあり、堅めです。
こちらも珍しい品種で香りが良いです。
実の大きさは大きく、含油率も高めです。
塩蔵にも、オイル用にも向いています。
カヨンヌ
銀葉系の希少種です。
開花が早く、たくさん実がなります。
デルモロッコ
濃い緑色の葉が特徴の品種です。
育て方が簡単で、鑑賞向きです。
オリーブオイルをとるために栽培されることもあるほど、油分の多い実をつけます。
ピッチョリーネ
オリーブの中では葉が丸みを帯びているのが特徴です。
樹形がまとまりやすく、育てやすい品種です。
バロウニ
バロウニは葉が横に広がる品種です。
そのため、開放的なのびのびした感じのオリーブです。
結実のための相性
品種の相性は、開花の時期に関係します。
マンザニロ、ルッカ、ネバディブロンコ、ミッションの順番で開花します。
そのため、マンザニロとルッカ、ルッカとネバディブロンコ、ネバディブロンコとミッションといった組み合わせが相性が良く、実をつけやすいといわれています。
また、銀葉が美しいチプレッシーノはマウリーノやレッチーノと、可愛らしい葉のコロネイキはミッションと相性が良いと言われています。
ここで少し受粉のお話をしましょう。
オリーブの木は別の木の花粉が風に乗って運ばれてきたり、虫によって運ばれてきた結果、受粉がおこります。
そのため、花粉を運ぶ虫等を引き寄せることが大切になってきます。
是非、他の花々や木々もたくさん近くに植えてあげましょう。
それでも無理な時は、鉢植え編で説明した人工授精を是非試みてください。
結実した時の感激はひとしおです。
まとめ
人間と同じように、オリーブにも相性があるんですね。
私のおススメはミッションとコロネイキです。
ミッションは葉裏が白く、とてもきれいで、真っすぐに伸びます。
そして、コロネイキは小さな葉がとても可愛らしくて、まるで女王のように品が良く、オイルの質がとても良いのです。
二本のオリーブの木が、まるで恋人か夫婦のように、隣り合わせに植えてある光景は、想像しただけでワクワクしてしまいます。
【スポンサーリンク】